どうしたら作品のカタさを取り払えるか、どうしたらもっと豊かな空間にできるだろう。当然これは自分自身と直結している問題でもある。そう、 作品が先にあるのではない。「どう描くか」より「どう生きるか」がまず先にあるのだと思う。根っこがしっかりしていないとふわふわ上っ面なものとなってしまう。根っこ。植物にはみんなしっかり根っこがある。数年前のことだが、94歳を過ぎた祖母が思うように動けなくなって、亡くなるちょっと前、歳をとって生きるその心境はどんなものかを訊いたことがあった。
1、萎れた花 2、虚ろになった木 3、枯れた草
祖母の答えは2番目だった。答えを聞いて改めて、その一生の篤さを感じた。
私のこの4,5年は、不安定に身を置き、宙吊りの感情で増幅する心の動揺をもってすれば自ら豊になり、いい作品が創り出せるんだと合点していた。確かに、どんなものでもエネルギ-がなければ創りだすことは出来ないけれど、生きることの根っこってなんだろう。揺れながらでも、しっかりした根っこをもった生き方。私はちゃんと地に足をつけて生きているんだろうか?疑問だな。そろそろ40歳を前にひとりごと。
2006/7/13
去年は真赤なハイビスカスを描きましたが今回はピンク色です。ハイビスカスもいろいろな色がありますが、やはり鮮やかな色を選んでしまいます。大きく伸びやかな花なので、いつもより少し大きめの紙に描きました。この鮮やかな花を見ると夏だな~と、うきうきしてきます。湿度の高いのはちょっと疲れるけれど、夏は私の大好きな季節。去年はちょうど今頃ぎっくり腰になってしまいましたが、今年は冷房にも気をつけているので大丈夫。でもこのごろは、友人との会話が「腰痛くない?」とか「膝にこない?」とかだんだん年寄りな会話になってしまって、あああああ。大好きな季節だけれど、トシをとってしまう月でもあるのでちょっとフクザツ~。


立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花、の、シャクヤクです。透けるように薄い花弁が重なって、艶やかでありながらしっとりと落ち着いた風情の花。今回はハ-ネミュ-レにシュミンケの絵の具、ドイツでまとめてみました。ハ-ネミュ-レは銅版画用の紙としては定番ですが水彩紙もなかなかのもので、独特の吸い込み、にじみが出来る面白い紙です。
私は普段、自然光でスケッチするのですが、今回は夜、電球のあかりで描きました。